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ロックの部屋

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dream academy 

ドリーム・アカデミー『A DIFFERENT KIND OF WEATHER』~ネオアコ度★★★~


ジョン・レノンの「LOVE」から始まる【ドリーム・アカデミー】のサード・アルバム。愛の概念を歌ったこの曲を1曲目に持ってくることで、ドリーム・アカデミーはあらためて愛とは何なのかを確認したかったのかもしれません。

2曲目からは、愛の終わりを思わせるような、悲しくも切ない楽曲が続きます。明るい気分になりたい時、また元気を貰いたい時はこのアルバムの世界は辛いかもしれません。でも、ひどく落ち込んでいる時や、自己嫌悪に陥っている時などに聴くと、とても優しく響いてきて泣けてきます。

《マーシー・キリング》
♪僕はありったけの力で愛を信じる
 僕は報いなんて信じない
 衝撃のせいで
 心変わりすることがあったとしても
 僕はいずれまた
 それを信じるようになる♪
 
そう、愛は裏切られたとしても傷つけられたりしても、直ぐに新しい愛を浴してしまう。

《ワーテルロー》
♪列車が駅を出て行くのが聞こえるだろう
 君の部屋という内なる世界から
 君は言った
 もしふたりが駆けだしたなら
 永遠に駆けて行けるはずだって

 列車が駅を出て行くのが聞こえる
 聞こえる
 ワーテルローの駅を♪

列車に乗っているのは僕なのか君なのか、君がもし列車に乗っているのだったら、僕は列車に駆け乗りたい。でも君が自分の部屋に閉じこもっていたらどうしよう。やはり、僕はボーッと駅から列車が出て行くのを眺めているだけかもしれない。

列車が駅に到着するBGM、ホームにかすかに鳴り響くアナウンスの音、まるで映画のワンシーンのような光景を思い起こさせるこの曲は、ニック・レアード・クルウズのゆったりしたヴォーカルが響きわたる切ないスローバラードナンバーです。

《セント・ヴァレンタインズ・デイ》
♪こうして今 僕たちは
 バレンタイン・デーに別れてしまった
 長い長い間一緒にやってきたのに
 君は惜しげもなく与えてくれたものを
 今や取りあげて
 新しい彼のために取っておこうってわけだ♪

別れの歌なのに、ふっきれたような明るさがある曲です。ケイト・セント・ジョンのハーモニーが美しいです。管楽器が効果的に使われています。

《ノット・フォー・セカンド・プライズ》
♪時というものが
 僕たちの波を鎮めていく
 今 ふたりは陸に打ち上げられ
 ほとんどいっぱいに満たされて
 さよならを言う方法を
 なかなか見つけられない
 そして言ったとしても
 最後のキスがそれを裏切ってしまう

 時は終わり
 僕たちの波を鎮めていく
 僕たちはほとんど尽き果てて
 音楽も終わろうとしている♪

波とは二人を燃えさせた熱くて激しい波なのでしょうか?時はどんな二人も鎮めてしまうものだとしたら、満ち足りる事を考えずに、新しい何かを追い求め続けていたい。
二人の間に音楽が鳴りつづけるように………


(ドリーム・アカデミーと言ったらヒットした「ライフ・ア・ノーザン・タウン」が入っているファースト・アルバムでしょうが、この『A DIFFERENT KIND OF WEATHER』も素晴らしいですよ。セカンドも良いですけど……繊細でアコースティックなサウンド、ヴォーカルの優しさ、ハーモニーの美しさ、ミディアム・バラード、など私の大好きな特徴を持ったグループです。しかし、このアルバムで解散してしまったのは惜しまれます。ケイト・セント・ジョンはその後ロジャー・イーノ(ブライアン・イーノの弟)と組んでアルバムを出しています。これも素晴らしいですね。持ってます。(笑))


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